豊北町(ほうほくちょう)

山口県北西部、日本海に面した豊北(ほうほく)地域は、豊かな自然と歴史、文化が息づくまちです。新鮮な海の幸をはじめ、多彩な食も魅力の一つ。訪れるたびに新たな発見があり、心が「ほっ」と和む、そんな時間を過ごせる地域です。

阿川
角島
滝部
・人口:7,443人(2024年5月時点)
・アクセス:車移動の場合・・・下関ICから国道191号線を経由して約44 km/所要時間約1時間
公共交通機関の場合・・・下関駅からJR山陰線で豊北町内各駅まで所要時間1時間半前後
・主な産業・特産品:農業(梨など)、水産業(青のり、わかめ、ケンサキイカなど)、観光業 など
・観光名所・施設:角島大橋、角島灯台、道の駅北浦街道ほうほく、土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアム、
豊北歴史民俗資料館(太翔館) ほか
滝部

阿川

角島

豊北町でリノベーションまちづくりがはじまったきっかけ
山口県下関市の豊北(ほうほく)地域は、豊かな自然と美しい海岸線に恵まれ、
年間100万人以上が訪れる人気の観光地です。
しかし多くの観光客は「通過型」や「スポット型」の観光にとどまり、
地域との継続的な関わりが生まれにくいのが現状です。加えて、
豊北地域では過去25年間で約45%もの人口が減少しており、
移住・定住につながる住環境や地域の魅力づくりが大きな課題となっています。
こうした背景から、2023年度(令和5年度)より下関市では、
「豊北地域リノベーションのまちづくり」を本格始動しました。
滞在しやすく、人が集い・つながる新たな居場所をつくることで、交流人口から移住・定住への流れを生み出します。
将来的には、こうした取り組みを全国の過疎地域における再生モデルとして発信していくことを目指しています。
豊北町の「ひと」と「場」
人が集う豊かな北に、焚き火のような温もりある新らしい空間を。楽しく過ごせる空間を増やしたい。このまちを活用する人を増やしたい。このまちを子どもたちに繋いでいけるような形に育てていきたい。10年、20年先のための「今」をみんなで作り、形にしていきます。
たきびれっじは「滝部」の家守です。

一般社団法人たきびれっじ
代表 中野和孝
滝部地区のリノベーションまちづくりに携わりながら、豊北総合支所地域政策課として地域の魅力を活かした施策を進めています。移住・定住の促進や産業振興、防災対策など、多様な分野で住民の声を取り入れ、安心して暮らせる地域を目指しています。未来へつなぐ「住みやすいまち」を実現するため、日々活動を続けています。

下関市役所豊北総合支所地域政策課
主査 岡部智之
令和6年4月、地域課題に取り組むまちづくり会社を設立しました。
観光地として注目を集める豊北町ですが、暮らしを持続するにはまだ多くの課題があります。うみまちスタイルは「住み続けたい町」への転換を目指し、特牛を拠点に活動中です。空き家を活用した宿事業や空き家マップの作成、Yショップ特牛うみまち店の運営など、多様な取り組みを進めています。

株式会社うみまちスタイル
代表取締役社長 田中利明

株式会社うみまちスタイル
田中彩季
2013年から萩ゲストハウス「ruco」を運営し、2020年春にはJR西日本とタイアップして、山陰本線沿いの無人駅・阿川駅(下関市)をリノベーションしたカフェ「Agawa」をオープン。また、大正15年建築の牛舎をリノベーションしたカフェ「UTTAU」も運営。下関市豊北地域で事業開発を行い、人が集まる場を生み出す地域のキーパーソンとして活動しています。

株式会社hase
代表 塩満直弘
下関市豊北町在住。高校卒業後、地元の郵便局に勤務し、現在はJR阿川駅そばの郵便局で働く傍ら、豊北地区まちづくり協議会の会長も務める。
“ほうほく裏の観光大使”として、地域の魅力発信やまちづくりに積極的に取り組んでいます。
豊北地区まちづくり協議会
会長 妻崎和雅

豊北町の「とりくみ」

2023年度
豊北地域再生プロジェクト推進室を設置
豊北地域のリノベーションまちづくりと移住定住施策を一体的かつ横断的に推進するため、
豊北総合支所地域政策課内に「推進室」が設置されました。
市の若手職員に加え、株式会社パソナグループから派遣された
地域活性化起業人・瀬川康弘氏が参画し、公民共創によるプロジェクトが加速しています。


動き出した公民共創!
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エリアマネジメント法人「一般社団法人たきびれっじ」設立
2023年5月、滝部地区に地域の空き家や未利用資産を活用し、
滞在・交流の場を創出するエリアマネジメント法人「一般社団法人たきびれっじ」が誕生しました。
地域に根ざした人材によって運営され、子どもたちにこのまちをつないでいける未来づくりを目指し、
蚤の市や焚き火会などのイベントも開催。
リノベーションまちづくりキックオフミーティングの開催
2023年6月、地域のシンボル的施設「太翔館(豊北歴史民俗資料館)」にて、
専門家・嶋田洋平氏(株式会社らいおん建築事務所)を招き、
73名の地域住民が集うミーティングを開催。
まち歩き、ディスカッション、懇親会を通じて、
地域資源の可能性や将来像を語り合う場となりました。

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テレワーク人材育成プロジェクトの開始
地域における雇用創出と働き方の多様化を目的に、地域内外の企業と連携し、女性や若者、
移住希望者を対象としたテレワーク講座を実施。この講座を契機に、
地域の空き家のマッピングなどの業務を、地域内のテレワーカーが担う仕組みが構築され、
課題解決につながる共創プロジェクトや新たな雇用機会が広がりつつあります。




2024年度
旧教職員住宅のリノベーションと地域活用
空き家となっていた公共施設「旧教職員住宅」を、下関市がリノベーション。
短期・中期滞在者向けの住空間として再生され、運営は「たきびれっじ」が担っています。
現在は、地域おこし協力隊やお試し移住者などの受け入れ拠点として機能し、
地域内外の人の流れを生み出す役割を果たしています。

人が人を呼ぶまちへ、さらなる挑戦

かつて港町としてにぎわった特牛(こっとい)地区に、新たなエリアマネジメント会社が設立。
空き家を活用した民泊事業、デジタルマップを活用した住居マッチングに加え、
買い物弱者の支援や情報交流拠点としての役割を担うコンビニの運営など、
地域課題に対する多面的な再生に取り組んでいます。
「株式会社うみまちスタイル」特牛地区で設立
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事業共創型ワーケーションツアーの開催
都市部の企業を対象に、豊北地域への事業進出や地域課題の解決に向けた共創を目的とした
「事業共創型ワーケーションツアー」を実施しました。
これまでの2年間で、20社を超える企業の経営者や事業責任者が豊北地域に滞在。
空き家や公共施設など利活用候補地の視察をはじめ、
地元住民や地域プレイヤーとの意見交換などを通じて、
地域との新たな関わり方やビジネスチャンスを模索しました。
現在では、一部の企業が地域内での試験的な事業展開やプロジェクト共創に向けた動きを始めています。
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2024年11月、リノベーションまちづくりに関わる地域内外のプレイヤーが豊北地域に集い、
「リノベーターズサミット2024 in 下関・豊北」を開催。
会場では、滝部地区や特牛地区で進行中のリノベーション事例の共有、地域住民や地元高校生、
行政、企業によるパネルディスカッションなどを実施。
参加者同士が地域資源の可能性や課題を共有しながら、新たな連携や企業進出、
プロジェクト共創のきっかけを生み出しました。
「リノベーターズサミット2024 in 下関・豊北」の開催
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2025年度
旧消防署豊北出張所待機宿舎のリノベーション

地域が主体でつながり、広がるリノベーションまちづくり
1973年建築の旧宿舎を改修し、多様な滞在スタイルに対応できる施設として再生中。
地域の経済活性化と移住・定住促進を支える拠点となることを目指しています。
滝部地区での成果を踏まえ、
豊北地域内の角島・阿川地区へリノベーションまちづくりの手法を展開。
ワークショップや意見交換を通じて、
地域プレイヤーの発掘や空き家活用の新プロジェクトを模索しています。
角島・阿川地区への横展開

豊北地域エリアビジョンの策定

今後のプロジェクト推進に向け、より実現可能性の高い「地域の将来ビジョン」を策定中。
このビジョンをもとに、翌年度以降の再生施策をさらに加速させていきます。






